「ねぇ、指切りしよ」 カラグが提案する。 「指切りですか?」 梓は首を傾げた。 「約束の儀式みたいなのよ。 指からませて、歌うたうの。“ゆーびきーりげーんまーん”って」 かなは楽しそうに笑って、小指を出した。 「さ、ほら。早く梓も」 染が来る前に。 「あ、はい」 絡む小指。 「「ゆーびきーりげーんまーん…」」 絡んだ小指は、まるで氷のように、冷たい冷たい指だった。
20071202
20140401 改定
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