「わたしも、なつはにあいたい」
酔っているのか、あまりにも拙い口調が電話越しに耳を擽る。
「…何、デレ期?」
ばくばくと落ち着かない心臓を押さえつけるように、笑ってみた。
口の中がからからする。
泣きそう。
「そ、でれき。なつはぁ」
甘いそれにつられそうになるのを堪えた。
好きな人がいるのだと、だから協力してほしいのだと、笑った彼女の笑顔を壊したくない。
「はいはい、今度こっち来る時は遊びに行こうな」
好きだなんて、言えるはずがないのに。



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20121012