ようこそ僕の楽園へ
知らないのだろうと思っているのだろう、と思った。 目を見れば分かる、覚えていないくせに、お前の所為で。 そんな強い瞳だけが似ていると思った。 容姿は何処も似ていやしなかったけれど。 「君の、名は?」 突きつけた刃を引くことなく、尋ねる。 何と答えるのか興味があった。 繋がりは捨ててしまったのか、それともまだ縋っているのか。 彼女は、私のものなのに。 「…ハンナ」 憎々しげに、少女は呟く。 「ハンナ・ガボット!」 吠えたその反動で首に一線、赤い筋が入った。 「覚えておけ!お前を殺す者の名だ」 「そうか、覚えておこう」 すっと、刃を引く。 そして、手を広げて。 「歓迎しよう、ハンナ。君の力をこの名もない結社のために役立ててくれ」
キミが映る水溜まり
20141121