あおのもり
二人は馬車から降りた。 二人が初めて出会った場所。 瑞々しい葉。 どこまでも続く空。 泥が混ざり合う香り。 湿った風。 底まで透き通る湖。 「帰ってきたのね」 少女の言葉に、朝露が響いた。 街は二人に合わなかった。 しかし、ここは、全てのものが囁く場所。 少年は笑った。 「ずっとずっと。 二人で暮らそう」 どこまでも、どこまでも、彩るあおと共に。 image song「幸わせの小道」cocco
執筆日不明 / 旧拍手