つかまらない君
背中に感じる大木は冷たい。 僕はゆっくり息を吐いた。 この歳にもなって鬼ごっこ、普通なら少しくらい呆れても良さそうだが、 君の顔を思い浮かべるとそれさえ上手くいかない。 子供のような君、その笑顔を陰らせるのは些か気が引ける。 それはきっと、今巻き込まれている全員に共通する意識。 「何サボってんの」 降り注ぐ声。 サボってなんかいないと弁解しておく。 その力のなさに、君は何か違和感を覚えたらしい。 「熱いじゃん」 額に触れる手を払う術もない。 鬼かと問えば返って来るのは頷きで、君の眉を顰めさせていた憂いは奇麗さっぱりなくなる。 僕はゆっくりと立ち上がる。 君が笑って逃げていく。 次は、僕が鬼。
20111003

すずくれは「憂」と「陰」と「熱」を全部使って文章を作りましょう。
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