とある図書館管理人の話
ようこそ、地下図書館へ。 ここは限られた人間と、赦された人間しか入れない、不思議な空間。 どちらか一つでも欠けていようものなら、貴方の命は危ないですよ。 あぁ、ここら辺の本に興味があるのですか? 気をつけて下さいね。 本にはいろんな種類がありますから。 見えるでしょう? 奇怪 特殊特別 危険 資格必要 そんな風に書かれたたくさんの札。 ちゃんと見て下さいね? 迂闊に近づくと危ないですよ。 噛んだりするものもありますし、資格がなきゃ、扱えないものとかも、ね。 わたくしはここの図書館で管理人をやっています。 ご主人様に頼まれまして、かれこれ…はい、1200年です。 え、ご主人様ですか? この間会いましたよ。 青い髪の小さな方です。 何ですか? 何処へ行ったのかって? 知りませんよ。 ご主人様のことはご主人様にしか分かりませんから。 アァ、そこの、本棚の向こうの黒い仔猫と、目を合わせませんように。 邪魔だと思われたら、喰われてしまいますよ? エ? その目は気にしないで下さい。 ただ、ほらちょっと、ここ広いですから。 わたくしの目ではお恥ずかしながら、行き届かない所もありまして…。 それを補うために、カメラを付けたまでのことです。 これがなかったら、貴方、死んでましたよ? 何があったか知りませんが、上から落ちてくるなんて。 ハイ? アー…あの上の看板の所の血。 誰のかって? もちろん、秘密ですよ…。 新しいって? そうですね、垂れてきてますし。 後で掃除しなければ。 そう言えば、言い忘れてましたけど、最近流行ってるみたいですね、それ。 あ、身体に穴を空けることです。 貴方も流行に乗っているようだ…。 わたくしはあまりやりたくありませんが。 でも、大丈夫ですか? その穴、 心臓に穴いていますよ?
20080320