リマ・リマ・リマ!
事件は会議室で起こっている。 そんな言葉の通り、確かに事件は会議室で起こっていた。 講演会中に乱入してきた男―――いや口調と格好からして女なのか? ふりふりとしたチュニックに可愛らしいピアスやサングラス、 それを考慮して彼女としよう、彼女はだん、と机を叩くと、 「貴方たちは人質になってもらうわ」 そう宣言した。 とは言っても彼女は特に暴力的な手段には訴えなく、 その奇抜な外見も功を奏したのか私たちは誰ひとりとして脱走することはなかった。 のんびりと人質として時間を潰していく。 人質ということは何かしら求めるものがあるのだろう。 彼女は誰かと頻繁に電話していたし、 その口調の運びからもそのうち事件は解決するだろうと思えた。 が。 事件が終わるのを待っていられない人種というのもまた、存在するのだ。 水色の髪をした少年と、金色の髪をした少年。 二人はどうやら仲が良いようだった。 二人が徐ろに立ち上がって彼女の方へと歩いて行くのを、 私は止めるでもなくただぼうっと眺めていた。 二人を放っておいておいた方が、面白いものが見れそうだ、ただそう思ったからだった。 二人は他の人質たちが心配したように暴力に訴えることなく、彼女に話し掛けただけだった。 いや、だけと言うのは間違いかもしれない。 彼らの目的は話し掛けて、その後に続く会話の中にあったのだろうから。 「それは大変でしたね」 大人しそうな少年―――水色がじっとその静かな瞳で彼女を見つめる。 彼女がそうなのよお、と突っ伏せば、チャラそうな少年―――金色がその背中を優しく撫ぜる。 「貴方たち、優しいのね」 ふわり、と顔を綻ばせた彼女に見えないように、彼らがにやりと笑うのをぼんやり見ていた。 それと同時に、 この人質立てこもり事件がもうすぐ終わりを迎えようとしていることにも気付いていた。
20131009